農事組合法人塩田 宇留野秋良さん、圷豊

四方を山に囲まれた、常陸大宮市塩田地区。この地で、常陸秋そばを育てる「農事組合法人塩田」を代表して宇留野さん、圷さんに話を聞いた。
「塩田では、我々のお祖父さんの頃からそばを作っていました。山間地特有の、昼夜の温度差が美味しい作物を育てます。5年前に農事組合法人を立ち上げようと思ったきっかけは、だんだんと増えてきた耕作放棄地。その畑を利用してそばを育てて、地域活性化に繋がればいいなと」(宇留野さん)
自分たちが生まれ育った地域を愛する農事組合法人塩田。土作りから手間ひまをかけ、丹精込めて育てた塩田のそばは都内有名そば店でも愛用されており、打ち手からも一級品と定評を得る。
「美味しいそばを知っているそば屋さんから“塩田のそばも良い味だね!”と言ってもらえて嬉しいですね」とはにかむ圷さん。農事組合法人塩田では有志で「塩田そばの会」を結成しており、そば打ち仲間でもある。
「塩田のそばは美味しいですよ。自分たちで育てて自分たちで打って、自分たちが食べて“美味しい!”と思える、常陸秋そばです」(圷さん)
自“蕎”自賛できてこそ本物の美味。本物が芽吹く塩田のそば畑へ、会いに行こう。
(宇留野秋良さん※写真一番左、圷豊さん※写真右から三番目)

JA常陸山方支店常陸秋そば加工場 吉田みゆき

地域のそば農家が丹精込めて育てた常陸秋そばを預かるJA常陸・山方そば加工場。製粉担当として6年目になる吉田みゆきさんは、自他ともに認めるそば愛好家だ。
「そば好きになったのは、常陸大宮の農家にお嫁に来てから。“今日はそばにするか”って日常的にそばを打つ家で。自分でもそば打ちを覚え、今ではそば打ち愛好会に所属する程のめり込んじゃいました」
そばの魅力といえば「やっぱり香り、風味です」と吉田さん。特に常陸大宮の常陸秋そばは香りがいっとう良く、ねばり、甘味も充分とそば通目線からも太鼓判を押す。
「農家さんから預かった大切なそばを、最大限のパフォーマンスで打ち手に届けるのが私の役目」と強く語る吉田さんは、農家・蕎麦店双方から厚い信頼を得る。
彼女の仕事にはそば愛がある。
「毎回、挽いた常陸秋そばを送り出す時は“美味しく打ってもらいなさいよ”って声をかけています。皆には笑われるんですけどね」
農家が手塩にかけて育てたそばを、丁寧に磨き上げ大切に世話をして、送り出す。彼女の温かな手には使命感、プライド、そして慈愛が満ちている。
愛情こもった美味なる常陸秋そばを、常陸大宮で召し上がれ。

弥七そば研究会 長嶋光行

常陸秋そばのふるさと・茨城県北地域では、多くのそば打ち同好会が活動する。腕前を磨き素人段位を取得する愛好家も多数。
かの「弥七の隠れ里」としても知られる常陸大宮市小松区。かつて地域コミュニティの中心だった地元の元公民館で「弥七そば研究会」を率いる長嶋光行さんもそば打ちに魅せられた一人だ。
「平成15年にスタートし、今は会員が60人を数えるまで増えました。年代関係なく仲間が出来て、そばのおかげで人生にハリが出た」
地元の講座などでもそば打ち指導を行う長嶋さん。その数、年間500人は下らない。彼を師と仰ぐそば愛好家が、各地でそばを愛し、そしてまた輪を広げていく。
長嶋さんのそば打ちの極意は「焦りは禁物、そばとの対話」だ。
「力任せにせず、すべすべの肌を目指して丁寧に麺棒を滑らせるんだよ。水加減も、その日その時ごとに違うから、自分の指先の感覚で知る」
長嶋さんはその腕を買われ、道の駅常陸大宮かわプラザ内の食事処常陸亭で打ち手も務めている。
「やっぱり手打ちは美味しいね。常陸秋そばは、すする時、喉を通る時に強く感じる独特のふわっとした、柔らかい香りがすごく良い。毎日、必ず一食はそばを食べるけれど、飽きないよ」
常陸大宮を代表する名人の技、ぜひとも堪能してほしい。

夢玄 和田範政

常陸太田の玄関口に位置する道の駅ひたちおおたで、こだわりの常陸秋そばを供する店「夢玄」。その店名には、店主・和田範政さんの「夢を持って美味いそばを作る」という志を冠している。
常陸秋そばが見出される昔より、そばの産地としてその名を馳せてきた旧水府村(現常陸太田市水府地区)。和田さんはそんな水府に生まれるも、一時は地元を離れていた。
「実はね、子供の頃はそばが大嫌いで。でも上京して、そばを食べてまるきり変わった。“俺が食べてたそばには程遠い!”って、離れてみて地元のそばの美味さに気が付いたよ。それから、そばを食べ歩くようになって、そば打ちも始めちゃった」
都内から茨城に戻ると更にそば好きが高じ、30代後半には素人そば打ちで段位も習得。
「自己流で、参考書は家に130冊はある。打ったそばの感想が聞きたくて、片っ端から人に食べさせてみたりしたよ」
その頃には腕を見込んで、そば打ち依頼が来るようになった。様々引き受けるうちに、今度は「農業法人でそばの生産をしないか」という話までも舞い込んできた。そば打ちも、そば作りも、やるからには手は抜かない。和田さんが中心になり立ち上げた「水府愛農会」が作る常陸秋そばは、多くのそば打ち好事家も愛用する。
「道の駅はいわば街の顔。これぞ常陸太田の誇る常陸秋そば!と胸を張って美味しいそばを出さなきゃ」
夢玄を訪れたなら、カウンター横の小さなそば打ち部屋を覗いてみてほしい。和田さんのそば愛を見ることが出来るだろう。

伊勢又米穀製粉株式会社 多賀野弘泰

名実ともに常陸秋そばの聖地・常陸太田市。かつて佐竹氏が居城した太田城跡の一角に立つ伊勢又米穀製粉は、創業90年来変わらず常陸太田を代表する製粉・製麺を生業としている。
三代目・多賀野弘泰社長曰く、「常陸秋そばといっても畑の状態で味に格差が出るのは当然です」。同社では常陸秋そば生産者をまわり、農地の把握や種子の管理から気を配る。
「美味しい常陸秋そばを届けるためには種子の管理がとても重要。当社では毎年、原料となる常陸秋そばの種子を購入し、契約農家さんには必ずそれを使って栽培してもらいます」
県外でも「常陸秋そば」は食べられるが、そんな今だからこそ多賀野社長は「茨城の‘故郷’のそばの味」にこだわるべきだと言う。
「常陸秋そばの魅力は、味良し、ねばり良し、香り良し。香りの甘さ、咀しゃくして飲み込んだ後の最後の、柔らかい甘味の余韻です。常陸太田は常陸秋そばの発祥地。だから、この土地が一番常陸秋そばの生育に合っている。地の物はその土地で味わう故の魅力がある」
伊勢又米穀製粉では、常陸秋そばの原種である“金砂郷在来種”の栽培へも独自に取り組む。常陸太田が誇る至高の味を守り、磨き、更に高みを目指す――それこそが使命だと、多賀野社長は示してくれた。

主催:茨城県

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